ブランドヒストリー

1908年

コンコルド創業

創業者の一人ウォルター・ウグナンと、当時のスイス・ビエンヌ市

コンコルドは、ウォルター・ウグナンを含む5人の創業者によってスイスのビエンヌ市で創業しました。ブランドネームは、5人の創業者が手を取り合って会社を発展させたい、という願いを込めて「コンコルド」(調和という意味)と名付けられました。

1900年初頭は第一次世界大戦前夜でした。「コンコルド」というブランドネームには、世界の調和=平和への願いも込められていました。

また1900年前後はスイスで時計産業が誕生した頃にあたります。スイスの高原は空気が澄み水も綺麗なため、精密部品を組み立てるのに適していたことがその発展の一因とされています。

1920年頃

腕時計の普及とジュエリーウォッチの製造

当時コンコルドが作っていた宝飾時計

第一次世界大戦(1914年-1918年)の終結後、自動車や飛行機などの移動手段が発達したことで、正確な時間の把握がより重要になり腕時計が普及していきました。アメリカが経済的に急成長し、スーツに腕時計というスタイルがビジネスシーンで定番化したこの時代に、コンコルドはアメリカ市場に進出し大成功を収めました。

当時、コンコルドは数々の有名ジュエラーのジュエリーウォッチを製造していました。その高品質な製品により、有名ジュエラーの間でコンコルドは信頼と高い評価を確立していきました。

1945年

ポツダム会談とコンコルド

トルーマン大統領が贈ったコンコルド・リングクロック

第二次世界大戦(1939年-1945年)後の世界の秩序を話し合う「ポツダム会談」は、1945年7月17日から8月2日にかけて開催されました。

この会談で、米国のトルーマン大統領が各国首脳に「コンコルド・リング・クロック」を贈っています。「コンコルド」(調和という意味)というブランドネームにあやかり、世界平和という願いが込められていました。

1970年

クオーツ革命とコンコルド

当時の工場、新体制のCEO、新しいムーブメントの設計図

1970年、日本の時計メーカーがクオーツ式時計の小型化に成功し、小型軽量で時間の正確な日本製のクオーツ式腕時計が世界市場を席巻します。

後に「クオーツ革命」と呼ばれる技術革新により、アメリカの時計産業は壊滅し、スイスの時計メーカーも半数以上が廃業に追い込まれる事態となりました。

コンコルドは経営体制を再構築し、クオーツ式腕時計の技術競争に挑むことになりました。

1970年頃

デリリュームの発表と大ヒット

当時の広告。フォークの間を通る写真はセンセーショナルでした。

スイスの時計メーカーの威信にかけてコンコルドが作り上げたのが、薄さ2mmを切る1.98mmの超薄型「デリリューム」でした。

「幻覚のように薄い物体」という意味を持つこの時計は、クオーツ式腕時計の正確さ、スーツを着ていても邪魔にならない機能性、そしてドレスウォッチとして美しくスタイリッシュで洗練されたデザインが特徴でした。

「デリリューム」は瞬く間に世界中で大ヒット。コンコルドはスイスのクオーツ式腕時計メーカーとしての地位を確立していきました。

1979年

世界記録薄さ0.98mmデリリュームIVを発表

ギネス記録「0.98mm デリリュームIV」

1979年に発表された「デリリュームⅣ」は、薄さ0.98mmと1mmを切る脅威の薄さで、日本の時計メーカーをも圧倒する究極の技術でした。

この記録は、世界最薄のアナログ式クオーツ時計の記録として1991年にギネスブックに登録され、今なお破られていない世界記録となっています。まさに、クオーツ革命に果敢に挑んだコンコルドが作り上げた傑作腕時計の一つです。

2000年

ラグジュアリーブランドとして

ミレニアム記念のアカデミー賞の複勝を飾ったコンコルド

小型化されたクオーツムーブメントは、腕時計のデザイン自由度を大きく高めました。

コンコルドは超小型化したムーブメントを武器に、デザイン性を極限まで高め、様々なジュエリーウォッチを生み出しました。これにより、ラグジュアリーウォッチとしてのブランドを確立していったのです。

ミレニアムを記念した2000年のアメリカ映画界のアカデミー賞の副賞にも選ばれ数々のメモリアルウォッチを作り上げています。

2008年

ジュネーブ ウォッチ グランプリ ベストデザイン賞受賞

右:C1 トゥールビヨン グラヴィティ/左:C1クァンタム グラヴィティ

コンコルドは2008年の創業100周年という記念すべき年に、ブランドのイメージを刷新する革新的なモデル「C1」を発表しました。

新時代のコンコルド・ワンと冠された「C1」は、ハイテク素材を大胆に取り入れ、複雑なムーブメントを余すところなく見せるデザインで、「時計業界のオスカー」と称されるジュネーブ ウォッチ グランプリ(GPHG)で高く評価され、「C1 トゥールビヨン グラヴィティ」が2008年のベストデザイン賞に輝きました。

続く2009年には世界初の液体式パワーリザーブ表示を搭載した機械時計「C1 クァンタム グラヴィティ」を発表しています。

2014年

新マリナーシリーズを発表

新発表のマリナーシリーズ

1980年代に登場し、一世を風靡したコンコルド・マリナーが、2014年コンコルドの新たなシリーズとして生まれ変わりました。海辺のマリンライフを心ゆくまで楽しむ人々に向け、豊かなライフスタイルに寄り添う、新たな価値を創造する新シリーズとして発表されました。

2025年

ニューサラトガをリリース

避暑地で楽しむイメージ

サラトガは1986年に発表され、コンコルドを象徴する人気モデルとして長年愛されてきました。2026年には誕生から40周年という記念すべき節目を迎えます。この特別なアニバーサリーを祝し、サラトガはさらなる洗練を遂げることになりました。

都会の喧騒を離れ、避暑地で静かに流れる上質な時間を想起させるビジュアルは、豊かなライフスタイルに寄り添うコンコルドの新たな価値観を創造していきます。